http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070814-00000019-mailo-l10
　日航ジャンボ機墜落事故から２２年。１２日には墜落現場の御巣鷹の尾根（上野村）を目指し、３２６人の遺族が急峻（きゅうしゅん）な山道を登った。事故後に生まれた子や孫の姿も目立ち始め、鎮魂と空の安全を祈る遺族らの思いは「次世代」へと引き継がれているように映る。【鈴木敦子、畑広志】
　人影まばらな午前５時半ごろ、登山道に高浜雅己機長（当時４９歳）の妻、淑子さん（６３）＝千葉市＝が新婚の次男夫婦らと姿を見せた。「夫は最期まで乗客を助けたい一心だったはず。空の安全を願い、訴え続けることが私たちの使命」と話した。
　遺族たちの登山は「記憶再生」に向けた営みでもある。美谷島健君（当時９歳）の姉、久江さん（３４）＝東京都大田区＝は夫と３人の子を連れて登山。長男の健斗君（５）は「坊主頭にすると昔の健にそっくり」といい、「どうして健おじちゃんがお星様になったか伝えていきたい。来年ぐらいは意味を分かってくれるかな」と目を細めた。
　一方、遺族は確実に高齢化しつつある。白井まり子さん（当時２６歳）の父、原忠臣さん（７７）＝埼玉県入間市＝は人工関節の左足をつえでかばいながら登った。墓標に語りかけたのは昨年と同じ「お父さんはもう年だから今年で最後（の登山）だよ」だった。「でも、ここが娘のお墓だと思うと、結局足が向いてしまう」
　元宝塚女優、吉田由美子さん（当時２４歳）の遺族は新しい卒塔婆を建てた。兄の雅彦さん（４９）は「地表が見えていた土地に木陰ができるほど木が生い茂り、時の流れを感じた」と話したが、母の公子さん（７２）は「何年たっても家族に節目はなく、娘への気持ちも変わらない」と唇をかんだ...

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